春の彼岸会期間中(2・令和3年度版)
春の彼岸会期間中である。新型コロナウィルスの状況については、一部地域では厳しいが、そうでもない地域では、是非、この機会を捉えて、菩提寺や御先祖様が眠られる墓地へのお参りいただくのは如何だろうか。ただお参りいただくのであれば、感染リスクは高くないと思うためである。さておき、今回の彼岸会では、漢訳・漢語の仏典中に見える、「彼岸」及びその対義語の表現を見ていきたいと思う。例えば、以下の一節などはどうか。煩悩の無き処を般涅槃と名づく。無相の処を名づけて彼岸と為す。迷時に此岸有り。悟時に此岸無し。何を以ての故に、凡夫、一向に此に住すと為す。若し最上乗を覚る者は、心、此に住せず、亦た彼に住せず。故に能く此彼の岸を離るるなり。若し彼岸を此岸と異なれりと見れば、此の人の心、已に禅定無し。煩悩を衆生と名づく。悟解を菩提と名づく。...春の彼岸会期間中(2・令和3年度版)