樋口有介『遠い国からきた少年』2018・中公文庫-美人シングルマザーが社会の悪を暴く痛快小説です
2018年のブログです*樋口有介さんの『遠い国からきた少年』(2018・中公文庫)を読みました。またまた樋口有介さんの小説、このところ小説ばかり読んでいて、専門書はほとんどほったらかしで、反省の日々です。今回の小説は、弁護士事務所の美人シングルマザー調査員(本の帯には、美脚調査員とあります)が活躍をする推理小説。この美人シングルマザー調査員は、少女時代にある事件から女子少年院に入り、そこで産んだ息子を女手一つで育てているという設定。息子を食べさせるためなら汚い手も使いますが、生きていく哀しさを十分に知っているゆえに、辛い人生を生きている人の哀しみもわかる人物です。美人なのに、とにかく痛快、料理は息子のほうがうまいのですが、何かとお母さんぶって笑えます。ユーモアと哀しさで、世の中の悪に怒りまくります。怒りの...樋口有介『遠い国からきた少年』2018・中公文庫-美人シングルマザーが社会の悪を暴く痛快小説です