マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・17
ドイツ宗教改革の発端にもなったとされるマルティン・ルターの『九十五箇条の提題』の日本語訳を学んでいく連載記事である。連載17回目である。17煉獄に置かれた魂にとっては、この慄きが軽減されるのに応じて愛が増し加わるのは当然である。深井氏下掲同著・17~18頁「煉獄」について、今年は『鬼滅の刃』の炎柱の名字と同じこともあり、調べたり理解する人も増えたのではないかと思うが、死者の小罪のある霊魂や罪の償いを果たさなかった霊魂が、天国に入る前に現世で犯した罪に応じた罰を受け、清められる場所だとされる。生者はミサや祈り、信心業などで煉獄の魂の苦しみを和らげたり、短くすることが出来るという(『岩波キリスト教辞典』「煉獄」項参照)。要は、煉獄の火とは、浄罪の火なのであり、結果として煉獄に置かれた魂は、その戦きが軽減され、愛が増...マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・17